高次脳機能障害のお話 脱抑制について 

今回は、高次脳機能障害の「脱抑制」についてお話していきたいと思います。

「脱抑制」はご家族や周囲の方が悩む症状の一つですね。

対応方法など参考にしていただけたらと思います。

 

<脱抑制とは>

脱抑制とは、情動のコントロールが不能となり、状況に衝動的に行動してしまう状態です。

してはいけない行動と分かっていても、自身で抑えることができない状態を指します。

脱抑制は前頭葉の損傷でみられます。

 

<脱抑制の症状>

具体的には「突然、大声を出す」「笑ってはいけない場面で笑ってしまう」「何事も待てない」「すぐ怒る」「やりたいと思ったことはやらないと気が済まない」などの行動がみられます。

脱抑制を放置したまま社会生活に戻ると、「痴漢」「万引き」「交通ルール違反」などの違法行為に発展してしまうこともあります。

 

<脱抑制に対する周囲の対応>

批判したり、否定したりすると脱抑制の症状が助長されることがあるので、刺激しないようにしながら、訴えを最後まで聞きましょう。

その上で、不適切な行動については指摘し、その行動がどう思われるのかを説明しましょう。

できるだけリラックスできる状態を作ると、脱抑制の症状が軽減してきます。